パルスレーザーのパルス幅の拡張(パルスストレッチ)には通常、バルク型の回折格子対やファイバーが用いられる。
回折格子によるパルスストレッチ
100 fs から1 ns まで約104倍のパルスストレッチを考えると、バルク型の回折格子対を用いた場合は、広い空間が必要でかつ構成が複雑となる。
ファイバーによるパルスストレッチ
ファイバーによるパルスストレッチの場合は巻きつけが可能であるが、長さが1 km 程必要であり損失も大きくなる。
チャープFBGによるパルスストレッチ
近年ではパルスストレッチャーとして、チャープファイバーブラッググレーティング(CFBG: Chirped Fiber Bragg Grating)の研究開発が行われるようになってきた。チャープFBG は、パルス中の低周波成分と高周波成分の反射位置が異なるような、構造的にチャープの付いたFBG である。チャープFBGを用いた場合、長さは10 cm 程度で100 fs から500 ps までストレッチすることが可能であり、コンパクトで低損失かつ低非線形である。
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チャープFBGによるパルスストレッチの様子