パルスを整形する技術として最もポピュラーなものが、光シンセサイザーと呼ばれるものである。光シンセサイザーの原理を図1に示す。光シンセサイザは回折格子と空間位相変調器で構成されている。

図1:光シンセサイザーの原理
回折格子に入射されたレーザー光は、波長ごとに空間的に分布し空間位相変調器へ向かう。空間位相変調器はアレイ状の構造をしており、それぞれ独立に電圧をかけることで屈折率や透過率を制御することができる。ここで波長ごとに位相と透過率を制御し、もう一つの回折格子で合波することで任意波形の光パルスに整形することができる。現在、電気光学変調で直接ピコ秒領域の光制御は困難であるが、この手法を用いればフェムト秒領域での光制御が可能である。
この光シンセサイザは任意にパルス波形を制御できるため、超短パルス応用に幅広く用いられている。しかしながら、システムが大がかりになってしまうことや、制御やアラインメントが困難であること、また回折格子を用いたことでビームが空間分布をもってしまうことなどの欠点がある。