光周波数コムとは

光周波数コムは、等距離線(図1)からなる光スペクトルであり、すなわち等間隔の光周波数成分を有し、コム線の強度は実質的に変化する。
※コムとは、英語で櫛(くし)のことである。

周波数コムの図

図1 光周波数コムの図

モード周波数をより低い値(細い黒線)に外挿すると、全周波数コムのオフセットとして解釈でき、いわゆるキャリアエンベロープオフセット周波数が10THzであることがわかる。
青い線は、櫛を用いたビート測定における未知の光周波数を示す。 水平の黒い線は、2つの最も低いビート周波数を示す。光周波数コムは光学式ものさしとして使用することができる。コム周波数が分かっている場合、周波数コムを使用し 、 ビート音を測定することで未知の周波数を測定する。 このような測定を広い周波数範囲で実行するためには、周波数コムの広い帯域幅が必要である。

光周波数コム発生メカニズム

モードロックレーザーを使う

光周波数コムを生成する最も基本的な方法である。
モードロックレーザーはレーザーキャビティの往復時間によって時間的に分離された連続した光パルスを生成する。このようなパルス列のスペクトルは、レーザーの反復速度(往復時間の逆数)によって分離された一連のディラックのデルタ関数に近似しうる。 この一連の鋭いスペクトル線は、周波数コム、または、周波数ディラックコムと呼ばれる。光周波数コムの生成に使用される最も一般的なレーザーは、100MHz〜1GHz繰り返し速度を有するTi:サファイア固体レーザーまたはEr:ファイバーレーザーである。

四光波混合を使う

四光波混合は、3つの周波数の強い光f1、f2、f3の相互作用し、式(1)で示される第4の周波数で光を生成する 。

f4=f1+f2-f3 …(1)

3つの周波数が完全に離散した周波数コムの一部である場合、第4の周波数は同じ櫛形の一部であることが数学的に要求される。
2つ以上の等間隔の周波数で強烈な光から始めて、このプロセスは、より多くの異なる等間隔の周波数で光を生成することができる。 例えば、2つの周波数で多くの光子が存在する場合、f1、f2、四光波混合は新しい周波数で光を生成する可能性がある。 この新しい周波数は徐々に強くなり、光は同じ櫛形で次々に新しい周波数にカスケードできうる。したがって、光周波数コムを作成する概念的に簡単な方法は、わずかに異なる周波数の2つの高出力レーザーを取り、それらをフォトニック結晶ファイバを通して同時に照射することである。 これは、上記のように四光波混合により周波数コムを生成する。

その他の発生メカニズム

微少共振器での場合

Kerr周波数コムとして知られる四光波混合の変形。

CWレーザーのEOMを用いる場合

変調周波数または繰返し率を電気的に変調することで作成される。
利点は、モード同期レーザーよりもはるかに高い繰返し速度(> 10GHz)に達し、櫛の2つの自由度を独立して設定できる。 線路の数はモードロックレーザー(通常数十倍)よりも低いが、非線形ファイバで帯域幅を大幅に広げることができる。 この種の光周波数コムは、通常電気光学周波数コムと呼ばれている。

参考

  • https://www.rp-photonics.com/frequency_combs.html
  • https://en.wikipedia.org/wiki/Frequency_comb

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